【医師監修】前立腺がん検査の種類と50歳以上の男性が知っておくべきポイント

前立腺がん検査

最近、健康診断で「PSA検査を受けたほうがいい」と言われたけれど、前立腺がんとはどんな病気なのか、どんな検査をするのか詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?

前立腺がんは、50歳以上の男性に多く見られる病気で、早期発見が治療の鍵となります。

本記事では、前立腺がんの簡単な概要と共に、PSA検査やMRI検査、生検など、前立腺がんを早期に見つけるための主な検査方法について詳しく解説します。

健康を守るために、ぜひこの記事を参考にして検査の重要性をご理解ください。

前立腺がん検査の種類

前立腺がんの検査にはさまざまな方法があります。ここでは、主要な検査方法を順に解説します。

PSA検査

PSA(前立腺特異抗原)検査は、血液検査によってPSA値を測定するシンプルで迅速な検査方法です。

PSA値とは、前立腺の健康状態を示す指標となり、がんや炎症、肥大症などの異常がある場合に高くなることがあります。

PSA検査は、採血で値を測定する検査のため、比較的手軽で安価に受診出来るのが特徴です。この検査だけでしたら2~3千円程度の自己負担で受けられます。

PSA値が高い場合は、追加の検査が必要となる場合がありますが、高い値が必ずしもがんを示すわけではないため、医師と相談しながら次のステップを決めることが大切です。

前立腺がんの疑いがあるかどうか、早期発見に効果的なため、特に50歳以上の男性には定期的な受診が推奨されます。

当院「ベテル泌尿器科」では、前立腺がん健診も行っております。

MRI検査

MRI検査は、前立腺がんの診断精度を高めるための重要な検査方法です。

この検査では磁気共鳴を利用して、前立腺の詳細な画像を取得します。特にPSA値が高い場合や異常が疑われる場合に実施されることが多いです。

  • 検査の目的:前立腺の内部構造を詳細に把握し、がんの有無や位置、広がりを確認します。
  • 検査の流れ:専用の装置に横になり、約30〜40分程度かけて撮影が行われます。造影剤を使用する場合もありますが、安全性は高いとされています。
  • メリット:腫瘍の位置や大きさを正確に把握できるため、治療方針の決定に役立ちます。

生検(組織検査)

生検は、前立腺がんの確定診断を行うための検査です。PSA検査やMRI検査で異常が疑われた場合に実施されます。

前立腺の一部の組織を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。基本的には前立腺がんであることを断定するには生検を行う必要があります。

入院での検査が基本であり、通常は1~2泊の入院で済みます。

  • 検査の流れ:局所麻酔を使用して、肛門または会陰部から細い針を挿入し、組織を採取します。手技は短時間で終了しますが、数日の安静が必要となることがあります。
  • メリット:がんの確定診断が可能であり、進行度やリスク分類を詳細に行うことができます。
  •  注意点:侵襲性があるため、医師と十分に相談のうえ、実施を決定することが推奨されます。

前立腺がんの検査は年齢やリスクに応じて選択しましょう

 どの検査を受けるべきかは、個人の状況によって異なります。一般的には、以下の基準が目安となります

  • 50歳以上の男性:定期的なPSA検査を受けることが推奨されます。
  • 家族歴がある場合:家族に前立腺がんの既往がある方は、40–45歳からの検査が推奨されます。
  • PSA値が高い場合:追加のMRI検査や生検が必要となることがあります。

医師と相談しながら、年齢やリスクに応じた適切な検査プランを立てることが大切です。

前立腺がんの検査による早期発見のメリット

 前立腺がんは早期に発見することで、治療の選択肢が大きく広がります。初期段階で診断された場合、放射線治療やホルモン療法、場合によっては経過観察という選択肢も可能です。

以下は早期発見の具体的なメリットです。

  • 治療の負担が軽減

早期の段階では放射線治療やホルモン療法、さらにはがんの進行を抑える内服薬を服用しながらの経過観察が選択肢となり得ます。がんが進行した状態では外科的手術が必要になるケースも多くなり、そうなると尿失禁や性機能障害が生じる可能性があります。

  • 完治の可能性が高まる

がんが周囲の組織に広がる前に治療を開始することで、完治する可能性が高まります。逆に、進行して周辺の臓器や骨に転移してしまうと治療が難しくなります。 

  • 生活の質を維持

進行がんの治療に比べて、身体的な負担が少なく、治療後の生活の質を保ちやすくなります。 

前立腺がんは、早期に発見し治療を開始することで完治する可能性も十分にあるため、早期発見が重要です。

一方で、がんが進行した状態で発見された場合では、外科的手術やより負担の大きい治療が必要となることが多く、生活の質に影響を及ぼす場合があります。

また、前立腺がんは進行が遅いケースが多いものの、一部では急速に進行するタイプも見られます。

そのため、リスクの高い方、特に家族に前立腺がんの既往歴がある場合や50歳を超えた方は、早めに検査を受けることをおすすめします。

健康診断と併せて、定期的に前立腺がん検査を行うことで、健康リスクを大幅に低減できるのです。

【まとめ】

前立腺がんは、早期発見と適切な治療が鍵です。特に50歳を過ぎた男性や家族歴のある方は、検査を定期的に受けることで健康リスクを大幅に減らすことができます。

当院「ベテル泌尿器科」では、PSA検査を実施しております。前立腺がんをはじめとする泌尿器科全般のトラブルの診療に40年間携わってきた三熊医師が、患者様の症状やお悩みに親身に寄り添い、最適な治療法をご提案いたします。

また、札幌東徳洲会病院と連携し最新の放射線治療を提供しておりますので、もしも前立腺がんが発見されてもフォロー可能な体制を取っております。

周囲には少し聞きづらいような前立腺がんに関するお悩みをお持ちの方も、まずはお電話やメールにてお気軽にお問い合わせください。