【泌尿器科医監修】前立腺がん再発を疑う時に知っておきたい事


前立腺がんは完治したはずなのに、PSAの値が高くなったり、排尿不良等の気になる症状が出てきた…再び治療が必要になるかもしれないと考えると、大きな不安を抱えてしまいますよね。

せっかく手術や治療を乗り越えたのに、また同じ痛みやつらさを経験するのではないかと心配になる方も多いでしょう。

しかし、泌尿器科で適切な検査や治療を受けることで、症状の進行を抑えたり再発を早期に発見できる可能性があります。

本記事では、前立腺がん再発の主な症状や治療法、日常生活で気をつけるポイントをわかりやすく解説します。

不安な気持ちを少しでも和らげるお手伝いになれば幸いです。

前立腺がん再発の主な症状

前立腺がん再発の症状は、再発部位や進行度合いによって異なります。

早期の再発では自覚症状が少ないことも多いため、下記のような症状があると、前立腺がんが進行している可能性もあるため、早めに泌尿器科で検査を受けることがおすすめです。

● 排尿障害
・尿の勢いが弱くなる
・排尿時の違和感や軽い痛み
・頻尿や夜間頻尿が増える

● 血尿や血が混じった精液
・尿や精液に血が混ざるため、色が赤く変化しているように感じる

● 骨盤まわりの痛みや違和感
・腰や下腹部、骨盤周辺に特有の不快感が生じる

● 骨転移による痛み
・腰痛や背中の痛み、大腿骨付近の痛み
・夜間や安静時に痛みが強まることがある

● 体重減少や倦怠感
・全身的なだるさや体力の低下
・食欲不振が続いて体重が減少する

再発が遠隔転移の場合、症状は転移先の臓器に応じて現れます。例えば、肺に転移した場合は息苦しさや咳など、骨に転移した場合は強い痛みや骨折リスクの増加といった形で体にサインが出ます。小さな変化も見逃さず、早期に受診して原因を突き止めることが大切です。

前立腺がん再発時の治療方法


前立腺がんの再発が確認された場合、患者さんの年齢、体力、再発の場所や大きさなどを総合的に考慮して最適な治療を選択します。

主な治療法は以下のとおりです。

● ホルモン療法
前立腺がんは男性ホルモンであるテストステロンに依存して増殖します。そのため、このホルモンを抑制することでがんの活動を低下させる治療がホルモン療法です。効果が高い反面、長期間の治療によって体が慣れてしまい、効果が薄れてくることもあります。

● 放射線治療
局所再発が疑われる場合や、手術後の再発に対しては放射線治療が検討されます。近年では定位放射線治療(SBRT)などが普及し、正常組織へのダメージを抑えつつ的確にがんを狙い撃ちできる技術が向上しています。

● 化学療法(抗がん剤治療)
ホルモン療法が効かなくなったケース(去勢抵抗性前立腺がん)では、化学療法が選択肢となります。代表的な薬剤としてドセタキセルなどが挙げられ、副作用として吐き気や脱毛、免疫力の低下などが発生する場合があります。

● その他の治療法
新しいタイプの薬剤(分子標的薬や免疫療法など)が研究・導入されており、症例に合わせて選択されることがあります。医師との相談を通じ、自身の状態に合った治療プランを立てることが大切です。

前立腺がん再発後の生活と注意点


前立腺がん再発後も、工夫次第で日常生活を快適に過ごすことができます。治療と両立しながら生活の質を維持するために、以下のポイントを押さえておきましょう。

● 定期検査を続ける
PSA値の測定や画像検査は、再発や病状の変化を早期に発見する上で欠かせません。自己判断で通院をやめず、医師の指示に従って通院スケジュールを守りましょう。

● 副作用対策
ホルモン療法や放射線治療、化学療法には副作用が伴う場合があります。ほてり、骨粗しょう症、倦怠感など、困った症状があれば我慢せずに医療スタッフへ相談することが大切です。

● 心理的サポート
再発に対する不安や落ち込みは、患者さんご本人やご家族にも大きなストレスとなります。必要であればカウンセリングや患者会などを利用し、気持ちを軽くする方法を検討しましょう。

● 生活習慣の見直し
適度な運動やバランスのとれた食事、禁煙なども、がんの進行を遅らせたり再発リスクを抑えるうえで重要なポイントです。無理のない範囲で生活習慣を改善していくと、体力維持にもつながります。

気になる症状があれば泌尿器科へ


前立腺がん再発は、早めに対処することで治療の選択肢が広がり、生活の質を保つことができます。以下の点を意識して、少しでも異変や不安を感じたときには迷わず受診しましょう。

● 些細な症状でも放置しない
骨の痛みや排尿障害など、ちょっとしたサインを見逃さないようにします。

● 早期発見・早期治療
PSA値の急上昇や局所的な症状は、再発の重要な手がかりになります。定期検査は必ず受けましょう。

● 医師と密なコミュニケーション
再発を疑う症状が出たら、まずは泌尿器科を受診して検査や治療方針を相談するのが安心です。自分の状態や希望をしっかり伝えることで、より適切な対応が期待できます。

まとめ


前立腺がん再発は、確かに不安を伴う状況ですが、定期的な検査と専門医による適切な治療を受けることで乗り越えられる可能性が高まります。

以前と同じような症状が出てきた場合、あるいは少しでも「再発かもしれない」と心配になったら、できるだけ早く泌尿器科へ相談してみましょう。

自分の体の変化に敏感になり、早期発見・早期治療につなげることが、安心して今後の生活を続けるための大切な一歩となります